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ぼくはだれもいない世界の果てで

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「ぼくはだれもいない世界の果てで」

作:M.T.アンダーソン/絵: ケビン・ホークス/訳:柳田邦男

心の中で「ぼくはだれもいない世界の果てで」と暗唱する。すると頭のなかに映像が映し出され、そこには自分だけの世界の果てが広がっていく。素晴らしいタイトルだと思う。

森の中で少年が一人、仲良しのロバと暮らしている。そこでは古代の遺跡を眺めたり、大きな恐竜の骨を組み立てて遊んだり、風の音に耳をすませながら、質素だけど満ち足りた生活を送っていた。ある日ひとりの男がやってきて、世界の果てにテーマパークを建設する。少年はそこで初めて友達ができて、夢のような時間を過ごす。しかし・・・。

この本を読む子どもたちに、最後に少年が下す決断について大人はどう説明できるだろう。子どもたちに読み聞かせる前に一度立ち止まり、私たちが生きている社会について考えなければならない。物語の結末は大人から子どもへ伝えるメッセージとなる。目をそらしてはいけない問題を改めてこの本によって突きつけられ、おおいに考えさせられる。